「矢野ゾミが約10年在住し、ライブを行ってきた香川で制作された楽曲から12曲を収録したアルバム。
レコーディング・サウンドアレンジ等はホームであった高松ビートルズで行われた。
また、「矢野ゾミの幼馴染の川本まいによって撮影・アートデザイン制作が手掛けられている。
[収録曲]
M1:箱庭
M2:スイミンググレー
M3:雨に唄えば
M4:ティアードッグ
M5:めっちゃえー天気
M6:3LDK
M7:Bloody Midnight
M8:ぱくぱく
M9:ドレスコードは黒に決まりさ
M10:月ノ輪
M11:2020
M12:シンデレラ イン ワンルーム
就職をきっかけに移り住んだ、縁もゆかりもない香川の街。
人見知りでも音楽が好きな人となら少しは話せるかもと、友達が欲しくてライブハウスに足を運んだ。
自分の仕事が休みの日に、たまたまフリーライブをしていたのが「高松ビートルズ」だった、というだけなのだけれど。
劇的な出会いほど、ひょんなことがきっかけだったりする。
音・声・言葉・空気感...
生のライブだからこそ感じ、伝わるものがあることも身をもって知る。
オリジナルをやることの深み。
人のライブを浴びて受ける衝撃。
自分自身との対峙の中で味わう苦しみ。
続けていくことで何かを掴みかけるおもしろさ。
あの箱庭に足を踏み入れるまで、知らない世界だった。
箱庭にはおもしろいアーティストがたくさんいた。
いいライブを目の当たりにしては感激して泣き、自分が思うライブができないと悔しくて泣き....何度も泣かされては、自分の考え方や価値観、生き方が変化していくのを感じた。
逆境の中にあるその居場所を守ることが、ひとつの使命のように思えていた。
がむしゃらにライブをやりながら、結局力にはなれず、気が付くと10年が過ぎた。
私は香川を離れた。
それでも、当初の目的であった友達づくりはしっかり成し遂げられた。
音楽を通じてたくさんの人たちと友達になれた。
いいご縁に恵まれたことをとても嬉しく思う。
香川を離れるにあたって、高松ビートルズで積み上げてきたものを1つカタチにしてみようと思い立ち、”ZOZO”を制作した。
初めてのレコーディング。メンバーに地獄を見せながらだったけども、やっぱり一緒に作り上げてもらえて良かったなと思う。
私の曲に個性あるサウンドやイメージが加わり、新しい作品として世に放たれる。
自分一人では絶対にできなかったアルバムが、こうして形になったこと。とても感慨深い。協力してくれたみんなには感謝している。
特にこの音源をつくるにあたってレコーディング・編集を担当してくれた高松ビートルズ:新谷マスターには本当にお世話になった。
また、今回レコーディングに携わってくれた高松ビートルズの面々と、私の幼馴染で写真家の川本まいからコメントをもらっている。
メンバーには、私の曲の中で割と自由に泳いでもらった。
それぞれがどんな風にかき分けて描き進んできたか、私が知りたかった、というところが大きい。
これも地獄の一端か。
それすらも興味深いと思う私はやっぱりイタイ人間なんだろうか。
高松ビートルズで作り上げた、思い入れのあるアルバム。
私自身がこの10年を曲で振り返るために、セルフライナーノーツも書いてみた。
興味があればぜひに。
音楽を通じて友達になれた人、初めましての人にも会いたくて、またライブをやることにした。
せっかくなのでこのCDを携えて。
あわよくば、私のライブに何か感じてもらえたりしたら、嬉しい限り。
どこかであなたにもお会いできれば。
ライブはいいぞ。
「矢野ゾミ