火曜日も夜更かし


火曜日の夜は
ビートルズで
フリーライブが開催される。


私もあまりしょっちゅう
行っている訳では
ないのだけれども、
たまに行くと
不思議な出会いがあったりする。




昨日はびっくりするくらい
私と対極的な方とお話ができた。







彼は自分が作った曲をする
バンドのフロントで
ギターボーカル。
(フロントマン、としては共通項があるかな)




彼は私みたいなのとは違い、
ものすごく
色んなことを考えていた。







作る曲はメロディ先行。

サビから
キャッチーなメロディを考えて
メロディラインから
詞を練る。






バンドでやる以上は
お客さんありきで
成り立つものだから

できる限り
お客さんが楽しめる様な
キャッチーな曲を作る。
A面の曲を。




自分の出来ることを
淡々とこなす。
背伸びはしない。




お客さん側から見て
求められている
"バンドの自分"を
一生懸命にやる。



県外に出るにあたっては
やはりコネクションが大切。

県外でライブ打つ時、
自分の集客が見込めないなら
県外の集客出来るミュージシャンと
対バンを打つべき。
そしたら県外にも
自分のファンが増えていく。





ある程度は妥協も必要。
自分の曲を持って行って、
思い通りにならない時もある。

その曲はボツにする。
バンドにそれをこなすだけの
技量がなかっただけで。
ボツ曲はたくさんある。





バンドで1番しんどかった時期は
仕事してるか音楽やってた。
休みの日の度ライブ打って、
ライブのリハの合間に
音作りして。




やっぱり
"大人の目"があるから。
そこも伺いながら
やっていかなくちゃ。





...なんだかいろいろと
次元の違う話が
たくさん飛び出てきて
驚いた。




バンドで全国を回る彼、
かたや
高松の一角のライブハウスで
ちまちまライブ打つ私。




私とはまるで違う価値観。
私とはまるで違う世界観。





それって
楽しいですか?


と聞けば


楽しい、
と答えが返ってきて安堵する。





バンドを
やりたくてやっているし、
やっぱり自分の曲を「いい」と
言ってくれる人がいると、
嬉しい、と。








おもしろい。





同じ音楽というフィールドで
こんなにも違う
考え方の人がいる。



正解も、不正解もない世界だ。








単純に音楽を表現するだけなら
打ち込みでもいい。

CDにでもして、
町中に撒き散らせばいい。



でも
「ライブ」は違うんだ。




音の表現ももちろん大事だけど

そこに聴いている相手がいて、
返ってくるものがあって、

自己満足ではダメなんだ。



相手の目線に立って、
音楽を作らなくちゃ。






彼の信念が
言葉ひとつひとつと、
眼に、滲み出ていた。






自分と、色んな人と、
膨大な感情と、
闘ってきた眼をしていた。





その眼の奥の奥に
どことなく
荒んだ心が見えたけど

それはもしかしたら
気のせい、かもしれない。







お酒飲まれてましたけど
何で来たんですか?


と聞いた時、


かーちゃんのチャリ。

と言って笑った。





ライブでミスのない様に
弾きやすく
自分仕様に弦高を変えた
エレキギターを背負って、

私とは逆方向に
漕ぎ出していった。









私は、どうありたい?







そんなことを
不意に
考えさせられた夜だった。