あなたが落としたのは

うるさい。
聞こえない。
人々が
口々にこぼれ落としては
去っていく。
叫ばない、
語らないとダメだよ。
聞こえない、
聞こえないよ。
人々は解き放たれた自分で
感じたままを言っている。
それが外から見た人間の
1番素直な感想ならば
きっとそこにはヒントがある。
 
相反することを
言われたようで
 
どっちなんだよ、
思ったりもした。
でも
どちらも正解だとしたら、
という捉え方をしてみる。
振り返る。
私はなぜ歌うのか?
言葉で描くなら
言葉を伝えなければならない。
歌い出した当初、
自分の世界を歌にして放つ恐怖心や
輪郭のない、正解のないイメージを
形にする難しさから声が出ず、
私の声は相手に
全く聞こえないところから
スタートした。
聞いて。
届いて。
そんな気持ちで
歌っていた。
私の声
聞こえない、聞こえない、と
思っていたけれど
今は
意外と
「響いている」みたいだ。
声は届いている。
言葉は死んでいる。
のかもしれない。
言葉」を
 歌える人になりたい。
でもまだ
人を前に核の自分を
出せなくなる私がいる。
怖い。
怯える私が、いる。
弱い。
もっと
強くなりたい。
強くならなくちゃ。